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小言や文句の多い母親のかわし方

うちの母親は小言や文句が多い。
一時期、口を開けば愚痴と小言と不平不満ばかりになって、正直会うのが辛くなったことがある。詳しくは「口を開けば愚痴ばかりの人」を見てほしい。
祖父が亡くなって、弟のお嫁さんの愚痴は少なくなったが、代わりに小言ばかりが増えた。
母とは一緒に暮らしていないが、帰省するとき、泊まりにくるとき、少なからず憂鬱な気分になる。
思ったことを考えることなく口に出してしまう性格だ。そして口うるさいのは自分の性格だから変えられないし、変える必要もない、周囲が許容するのは当たり前だと公言してはばからない。
ずっと育ててくれたこと、何かと世話をしてくれることには感謝をしている。小言の影には、私に良くなってほしいという思いがあることも理解できる。
ただ余りに多い小言に、一緒にいるとモチベーションがことごとく消えていく。
本当に私の為を思って言ってくれているのか、自分がすっきりしたいから言っているのかわからなくなる。母の決めた事細かいルールが多すぎる。生活に支障がないのに、必要性が感じられないルールに従おうとしても難しい話だ。
一緒に過ごす間、言われたくないから、気を遣い、言われそうなことを自衛しても防げない。一定量を吐き出さないと気が済まない感じがする。
小言のターゲットは父にも及んでいる。小さい頃は、母から父に対する愚痴を聞かされ続け、無条件に父が母に悪いことをしているんだと思い込み、父に反発していた。大人になって客観的に見ると、父は少し口うるさいが面倒見のよい、良い父親なのだ。
父はよく母と暮らしていると思う。
ごくたまにどうしようもなくなって、母とケンカになるが、母の行動は変わらないし、その後にくる罪悪感がたまらない。
親への感謝のない自分に嫌悪感が募り、自分を責め立ててしまうのだ。ひどく後悔し消耗するので、できれば対立したくない。
自分を育ててくれた母のことを嫌いになりたくないのに、何故何を言っても娘の愛情はなくならないと無邪気に信じられるのだろう。そもそも私を傷つけているなんて少しも自覚していないのだから、疑問を持つこともない。
知り合いは、母からの「まだ結婚しないの?」攻撃がひどいと歎いていた。
結婚は一人でするものでもないし、ライフスタイルが多様化するなか、昔ながらのモデルを押し付けられるのも、たまらないと思う。
そんな小言や文句の多い母親の反わし方だが、一番よいのは、とりあえず物理的な距離を置くことだと思う。一緒に暮らしている人は消耗戦になる前に早めに逃げ出してほしい。
私もどうにか堪えていられるのも、一緒に過ごす時間が圧倒的に短いからだ。
一緒に暮らして逃げ場がなくなれば、多分自分を抑えることができずに衝突し、関係は破綻するだろう。
そうならない為にも学生さん等で経済的な庇護を受けなくても暮らしていけるのなら、離れて自活の道を選んだ方がいい。
どうしても離れて暮らすことができないのなら、家庭内で距離を置くことだろう。
だからといって正面気って、距離を置こうとすれば余計相手は執着する。何か口実をつけて一緒にいる時間を減らすことだ。
ケースバイケースだが、うちの母は勉強していると、あまりしつこく干渉してこないので、資格取得の勉強をしているふりをしたり、会社の仕事を持ち帰ってきてやらなければならない風を装っていた。
実際に何か習い事を始めて、家にいないことも有効な手段だと思う。
それでもそれで24時間をやりすごすことはできない。そういうときには、話を自分以外の関係のない方へ振ることだ。
私は口下手だし、話の主導権は握れない。ただ、話を方向づけし、話題をすり替えていく。
天気の事、ペットの話、ガーデニング、掃除のコツ、料理の作り方、資産活用、母の趣味の話、亡くなった親戚の話、母が好みそうな話題なら何でもよい。亡くなった親戚と限定したのは生きている人の愚痴は聞きたくないからだ。
母が滔々と語ってくれる話題をストックしているとよいと思う。
冷たいと感じるだろうか。それでも母のことを嫌いにならず、自分が壊れない為の手段だと思っている。
同じ土俵に立たず、戦略を巡らす位置にあえて自分を置くことで、後ろめたさを持ち、そういう風にしか生きられない不器用な母を愛おしいと思うことができる。後ろめたさが、全面戦争のトリガーを引かない歯止めになる。私も母を失くさないで済むし、母親も娘を失くさないで済む。
ただうちの母の場合に単純なところもあるし、やり方は不器用でも根底には愛情があると思う。
そうではなく、心身が危険に晒される虐待など、耐え難い関係性がある場合には、母親の犠牲にならず、決別することも考えてほしい。
子供は母の所有物でない。そして、そう思うことも罪ではない。
(他の母親の記事「口を開けば愚痴ばかりの人」、「他人の愚痴や悪口をいう人の心理」、「自分の考えは絶対正しいと思い込んでいる完璧主義の母との確執」、「母の中のインナーチャイルド」)