「どうにかしなくちゃいけない」といつも考えてしまうけれど
<2018.1.19>
日常生活の中で「どうにかしなくちゃいけない」と、つい考えてはいないだろうか。
「どうにかしなくちゃいけない」は、私の思考の大部分を占めていた。常に、できないことをどうにかしようとしていた。
「しっかりしなきゃ」「もっとちゃんとしなくちゃ」「人に役に立たないと」「痩せなくちゃ」「年相応にならないと」「〇〇を続けなくちゃ」「もう〇〇はやめなくちゃ」「人並みにできるようにならないと」「勉強しないと」「人に優しくしなきゃ」「将来に備えて貯金しなくちゃ」…
気づくと、「しなければいけないこと」「やめなくてはいけないこと」に、がんじがらめになっている。
向上心があるのは、一見素晴らしいことに思える。
未来を見通せることは、人間の素晴らしい能力の一つだと思う。
達成したい目標と達成したい期限を決めて、逆算して今やるべきことをする…自己啓発などでもよく言われることだ。未来に向けて目標を置いて、そこにたどり着くために、今、努力する。それは、理に適っているように思える。
だけど、それが行き過ぎると、「今、この瞬間」にいることができなくなってしまっていまう。「今」が「未来」の手段になる。常に未来だけを見て、今がおろそかになる。今を、未来の為に犠牲にしてしまうことになる。
そして、一番の問題点は、「どうにかしなくちゃいけない」が多い人生は、つらいということだ。叱咤激励して自分のお尻を叩いて、格闘しなくていけないのは、今の自分ではダメだという思いが根底にあるからだ。
現状に「ノー」を突き付けている。
現状の否定、今の自分を足りていないと否定し、足りていないから補おうとする。現在の自分との不調和。それは、結局、今の自分を許せないということだ。
厳しすぎる要求を受けて、出てくる気持ちは、罪悪感だ。この不当な罪悪感はやっかいで、これに囚われてしまうと、心地いい気持ちでいることができなくなる。これが生きづらさに繋がっていく。
毎日が「どうにかしなくちゃいけない」でいっぱいいっぱいになって苦しんでいる人にとって、本当に必要なことは、「どうにかしなくちゃいけない」ことを考えることじゃなくて、自分に許可を出すことだ。
自分に許可を出して、あるがままのダメな自分を受け入れられるようになると、リラックスできるようになる。
自分を責めて苦しい思いで取り組んだり、未来を憂いて不安な気持ちで行動するより、リラックスして向き合った方が、結果は出やすい。
努力をやめろとか、そういう極端なことを言っているわけではない。
一旦受け入れる。受け入れたとき、いい意味で諦めたとき、却ってパフォーマンスは上がっている。
「今、この瞬間」にいることができるようになる。
「どうにかしなくちゃいけない」ことでがんじがらめになっている人は、自分に優しくしてみてはどうだろうか。