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はてなブックマークとブログを読む意味
少し前までネットはただ読むだけのものだった。
小説を読んでそれが素晴らしく面白かったとしても、大抵の人は感想やファンレターを書き送ったりはしないだろう。
私もご多分に漏れずそういう考えで、ネットを書籍と同じように捉えていたから、紙の活字からネットのフォントに変わっても、書き手とのスタンスは変わらないままだった。どんなにお気に入りのブログがあって、コメント欄が設けられていたとしてもコメントを書いたこともなかったしトラバを飛ばしたこともない。
自分がブログを書くようになり、はてなというポータルサイトに出入りするようになって変化が起きた。
最初は、ブログを誰かに読んでもらう為に、検索エンジンのリンク集に登録するような軽い気持ちで使い始めたと思う。
はてなには、はてなブックマークというオンラインにブックマークを保存できるサービスがあって、ブックマークした記事にはコメントを残すことができる。
自分のブログをブックマークするとコメントがついた。
反応があるということに驚く。それは思いがけなく嬉しいことだった。
はてなを見渡すと、数多くのブログがブックマークされていた。
そこには自分とは比べ物にならない博識なブロガーと呼ばれる人たちの書くブログが掲載されていて、どれから読んだらいいか迷う程だった。
はてぶの熱気に押されるように、おずおずとコメントを残すようになった。
コメントはブロガー本人も見ていて、双方向にコミュニケーションが取れることが新鮮だった。
書籍を書く作家は遠い存在だが、ブログの書き手は近い。
頭ではわかっていたが、その距離の近さを実感することは今までなかった。
リアルで人とコミュニケーションを取るのを避けるように、ネットでも同じように関わり合うのを避けていた。
そこで気づいたことは、興味を引く記事を読みたいという気持ちとは別に、人柄のわかる好きなブロガーの書く記事を時系列に読みたい気持ちがあることだった。
読んで自分が感じたことを知らせたいし、知ってほしい。
ひとつのブログを読み続けるということは、本を一冊読むようなものだ。
記事を本の中の一章あるいは一節と考えるなら、一章、一記事だけでは物足りなくなる。
本は最後まで読みたい。一章が完結していたとしても、それで本を閉じたいとは思わない。
もっと読みたくなる。その人が何を感じていくかを知りたいと思う。
アート作品でいうなら、連作の中の一つの作品でも充分見る価値はあるが、連作全てを見た方が作家の主張がより伝わるということだろう。
ただはてぶは、一記事の内容が重視されるようで、ブックマークが多く付くとアクセス数が劇的に上がる側面と相まって、一つのブログにブックマークをし続けることをよしとしない暗黙の了解があるようだった。
そこにルールはないとする人もいて真偽のほどはわからない。
わからないが、ブログを読んでコメントを残すことは個人的なことなので、批判があれば受け入れつつ、自由にしたいと思っている。
ネットでも他の人とどう絡んだらいいかわからなくて、ただブログを読んでいるだけだったけれど、息切れしない程度に人と関わりたいという心境になっている。
そういう約束のない緩い関係性があることに気づかせてくれた、なんでなんでちゃんに感謝致します。
私がずっと読み続けたいと思っているブログ。
日常に息苦しさを感じることもある方だと思うが、そこだけに拘泥しないで、日常をときにあたたかく、ときに爽やかに、ときに辛口に、ユーモア、エロを交えて色々な切り口で綴ってみせる、なんでなんでちゃんのブログ。
特にユーモアは、生きづらさを払拭する光になってくれるのではないかと個人的に思っていて、見習いたいです。ひっくり返っているセミを助ける優しさが好き。