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求められていないのにアドバイスをしてまうことのデメリット
<2018.3.12>
「ちょっと聞いてくれるかな」
友人Aから、共通の友人Bのことで連絡が来た。
話を訊くと、Bから人間関係のことでアドバイスをされて、ちょっと落ち込んでいるということ。なんでも、相談をしていたわけじゃないのに、突然Bが忠告めいたことを言い出したらしかった。
それを聞いて、しばらく前に、全く別の友人Cから、私がアドバイスされたときの気持ちが思い出された。
一緒に食事をしていたとき、Cがその話題を振ってきた。
「くろたま(管理人のこと)にちょっとダメ出しするけどさ。今、頑張っている?」
別段、ダメ出しされるような話をしていたわけではない。ただ、ちょうどCがコーチングに通っている頃だったから、自己実現や目標達成といった前向きな活動からは程遠く見える私が歯がゆかったのだろうと思う。
当時の私は、鬱っぽく睡眠障害がひどくて、会社に行っているだけで精一杯という状態だった。
Cのことは好きだし、私の為を思って、よかれと思って言ってくれているのは理解できたけれど、その後、結構落ちてしまった。
なぜ落ち込んでしまったのか考えると、最初に書いた友人Aにして、私にしても、アドバイスを求めていない状況で、相手が忠告をしてきたことが理由じゃないかと思う。
これが、「自己実現するにはどうしたらいいんだろう?」そんな風に私が、アドバイスを求めている状態だったら、その忠告はありがたく思えたはずだ。多分Aにしても、そうだろう。
でも、アドバイスを求めていない状況で、アドバイスめいたことを言われると、なんとなく自分が下に見られているようでモヤモヤした気持ちが残る。
アドバイスをしている方は多分意識していないのかもしれないが、そこにうすっらとした優越感が透けて見えるからだろう。
対等であるはずの関係に、上下関係や優劣が生まれている。
それでも友人同士の関係なら、繋がりがそこまで深くないから、その場で多少モヤモヤしても流すことができる。だけど、家族や恋人同士とか、関係が近くなればなるほど、求められていないアドバイスは、人間関係のバランスを崩してしまうことがある。
男女の関係でも、ときどき片方がパートナーではなく保護者のようになってしまっている人を見かけるが、アドバイスばかりされる側だったら、結構うんざりしてしまうかもしれない。
「相手によくなってほしい」「励ましたい」「幸せになってほしい」というのは、純粋な気持ちで尊い。
ただそれが高じて、価値観の押し付けになってしまうと、関係がぎくしゃくしてしまうことにもなりかねない。多分そこには、好意だけではなく、相手を変えようとする気持ちが潜んでいる。自分のモノサシで相手を見てしまっている。
変わりたくないと思っているときや、変わる必要がないと思っているときに、誰かが外から変えようとすれば、人は、反発や怒りを覚えるものだ。
その場では「ありがとう」と感謝するかもしれないけれど、それが長く続くと、多分そう嬉しくないだろうと思う。
こんな風に書いているが、私もときどきやってしまっている。
そしてそれがどういうときに出やすいかというと、私の場合は、頑張っているとき、努力しているとき、それが報われて自己実現しているように感じられるときだ。
自分が頑張っているから、人にもそれを求めてしまう。人それぞれ、みんな違うことを忘れてしまうのだ。つくづく相手に対する見方は、自分の気持ちを投影していると思う。
そういう自分は傲慢で、後から気づいて嫌な気持ちになったりする。
相手を励ましたい気持ちとのバランス。求められていないときのアドバイスは、よくよく意識していきたい。
(こちらも併せてどうぞ「大切な人の悩みを上手に聞くコツ」、「ただ悩みを聴いてほしいときに使えるテクニック」)