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スピリチュアルカウンセラーのアドバイスと自分の選択
<2019.4.1>
一時期、スピリチュアルの個人セッションやグループセッションにはまっていた頃の話だ。
コーチング的な内容の開運コンサルも何度か受けていた。
当時は、サイキックでスピリチュアルカウンセラーでもある先生を盲信していたから、先生のアドバイスはまさに的を射たように感じられて、気分が高揚したものだった。
不安で迷うばかりの人生で、迷いのない先生の言葉は、すっと心に入ってきた。
会社を辞めたくてしかたなかった頃で、明るい未来を予感させてくれる先生のアドバイスは耳に心地よかった。
「この先生の言うことさえ聞いていれば間違いないんだ。楽だな」という安堵の気持ちが湧き上がってきた。
今考えると、とても怖い話だ。
自分の人生なのに、全て先生に預けて依存してしまうことと同じだったから。だけど、当時はそんなことはあまり考えていなくて、先生が導いてくれる正しい道を進む喜びがあった。
しばらく先生に依存する生活が続くのだけど、少しずつほころびが見え始める。
先生が自分のサロンを大きくしようとし始めた。料金もそれまでよりは、大分高めに設定されるようになった。
自分の事業を拡大しようとするのは、悪いことではない。だけど、お金の話が軸に置かれるセッションは、癒しを求めていた私からすると、違和感が拭えなかった。
それ以外にも、先生と自分のカラーの違いを感じるような出来事が、いくつか起きた。不信感も出てきた。
ほどなくして、そこのスピリチュアルサロンには行かなくなってしまった。もうしばらく前のことだ。
私だけではなく、私と前後するように離れた人が何人かいるようだった。
(「クライアントと対立してしまうカウンセラーの問題」)
ただ、そこで受けたセッションは、私という人間を形づくる上では欠かせないものだったと今でも思っている。
あのときセッションを通して対話していたのは、多分私自身だっただろう。それがハイヤーセルフなのかはわからないけれど、自分を見つめ直す貴重な時間だったのは確かだ。
そこで学んだことがあるから、不安ループに陥る頻度も減って、生きづらさからも大分楽になれた自分がいる。そこで知り合った仲間も、今でも繋がりがあって、掛け替えがない人たちだと思っている。
だから、そういう機会をくれた先生には感謝している。
でも、あのままサロンに入り浸っていたのなら、自分をなくして、先生を盲信して、高額なセミナー料金を払い続けていたのではないかと思う。
今の状況から抜け出したい気持ちが強すぎるとき、てっとりばやく正解に辿り着きたくなる。頼りない自分が出した答えを信じるより、外からの啓示をもらった方が楽だ。
何も考えなくて済むから。
結局、先生のアドバイスとは違う選択をして、以前と同じ会社で、今も同じように働いている。当面転職するつもりはない。
自分で出した結論だから、以前のように辞めたいとは思っていないし、そこまでの不満も感じていない。
当分ここにいると腹を括ってから、楽になった。
先生のところを離れるときに起きた一連の出来事は辛かったけれど、安易な道に流れようとする自分を押しとどめてくれた。
選択肢のいずれかしか選ぶことはできないから、選んだ道が正しかったのかどうか確かめる術はない。
でも、それでいいのだと思う。そもそも人生に正解なんて、あるのだろうか。
自分の気持ちを整理したり、気付かなかった視点をもらえるという点では、スピリチュアル的な助言は有効だと思う。
でもそれは、やっぱり判断基準のひとつでしかない。力があるサイキックの人に言われると、自分よりその判断が全てになってしまうけれど、自分の人生の舵を取って、その人生を生きていくのは自分だ。
自分で考えることを放棄して、大事な判断を人に預けて、他人任せの人生を生きてはいけない。
ずっと人に流されてきたけれど、今、そんな風に思う。