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集団に状態の悪い人がいると、集団全体の状態が下がる
<2017.7.1>
会社、組織、グループ、集団の中にいる、状態の悪い人に、苦しめられている人は多いと思う。
集団の中に、状態の悪い人、心の健全度の低い人がいると、それに引きずられて、集団全体の状態が下がることがある。
例えば、別の部署から新しい部署に配属になって、新しい環境に慣れようとしているとき、部署の一人が誰かの悪口を言っている。
どうやら部内の一人をターゲットにして、いじめのようなことが行われているらしい。初めはそれが嫌だと思いつつも、自分がいじめのターゲットにならないよう、消極的ながらもいつしかその雰囲気に同調してしまうようになる。それが普通になっていく。
そんな風に考えるとわかりやすいかもしれない。
もちろん、部内のみんなが悪口を言っていても、自分はそれに乗らないと、きちんと自分の軸を持てる人もいるだろう。
だけど、誰かをいじめのターゲットにすることが、その集団の結束を固めることに繋がっている場合、自分を保ってそれに同調しないのは、多くの精神力を必要とする。それができる人は、精神的にかなり強い人だと思う。
あるいは、社内の上司が事あることに部下に怒りをぶつけるような人だったら、それも正当な叱責などではなく、自分の要求を通す為に理不尽な怒りを爆発させる人だったら、部内は殺伐としているだろう。
そこで働く人は、自分に怒りの矛先が向かないよう、上司の顔色を窺い、事なかれ主義に保身を図っているかもしれない。楽しい雰囲気はなく、皆、猜疑心でいっぱいの状態かもしれない。
こんな風に、集団の中に状態の悪い人がいると、組織を構成する多くの人の状態も下がる。状態、つまり意識レベルや波動とも言い換えられると思うが、そういったものは伝播、伝わっていく。特に高い方から低い方に流れる。
上司や先生、リーダー格の人間など、より影響力がある人が言う言葉や行動ほど、大きな影響力を持つ。
発言力や影響力がない人が、状態が悪くて、それに見合うような行動をとっても、大して影響はないが、力や権力を持った人が不健全なとき、又は負の感情にとらわれているとき、影響はより大きくなっていく。集団はその色に染まっていく。
もちろん逆もあって、状態のいい人がリーダーだった場合、集団全体の状態も上がる。
さっきの例で言えば、その集団で影響力がある人が、「人の悪口なんてやめなさい。いいところを見てあげる目を養う方が人として魅力的だよ」と優しく、悪態をついている人を諌めたらどうだろうか。
それに賛同する人も多ければ、悪口をいう自分を恥ずかしく思って、言うのを控えるだろう。
また、上司が理不尽な怒りを爆発する人ではなく、正当な愛ある叱責ができる人だったら、部内は和気あいあいとして、士気も上がっているだろう。状態のいい人が、集団の良い面を引き出していく。
ただ状態のいい人が集団のレベルを上げるのは難しいが、逆の場合、状態の悪い人が集団のレベルを一気に下げるのは簡単なことだったりする。
正の感情より、負の感情の方が伝わりやすいのだ。それは負の感情の方が重くて、ある意味わかりやすく、影響を与えやすいからだと思う。
人と人が一緒にいるということは、相互にコミュニケーションを交わしているということなので、相互に影響しあうことになる。
その影響を受けたくないと思っても、過ごす時間が長ければ長いほど、影響は大きくなる。
影響を受けて、感化されることも反発することもあるだろうが、どちらにしても反応が起きるのだ。
状態の悪い人が辞めて、別の人が新しく入ってメンバーが変わると、その集団のカラーが全く変わってしまうことがあって、改めて、集団というのは生きているんだと思わせられる。
いじめの主犯格がいなくなったら、いじめ自体がなくなったとか、そういうことだ。
私にも経験があるが、人間関係でその職場を辞めたい、その組織を抜けたいと思うときは、往々にして、状態の悪い人がその集団の中心にいることが多い。
集団の中心にいる人物が、絶大な影響力を持ち、そして心の状態が、あまりにも悪いときは、自分を守る為に、その集団に留まらない方がいいと思っている。
理想を言えば、自分が集団の中心となって、周囲を引き上げるのが望ましいとは思う。状態の悪い人がいても、その人まで引き上げて上げられるような、健全度が高い存在になることを目指していければ一番いい。
ただ中心となる人物の状態があまりにも悪いとき、自分の心と体が悲鳴を上げる前に、そこから退くことが必要ではないだろうか。
すぐに辞められない状況があるなら、少なくても精神的な距離を置く。同じ土俵に立たないこと。
そして可能なら、健全度の高い人たちが多くいる集団に移って、自分の状態を上げていく。その方が、簡単で早いような気がするのだ。
あなたの属する集団の中心人物、彼または彼女の、心の状態はどうですか。