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友人が起業して個人事業主になっていた

友人が起業して個人事業主になっていた

ブログカテゴリーの「仕事・転職・起業のこと」が増えない。
内向的な人がどう仕事と関わったらいいのか、そういうことを知りたい人には申し訳ないことだと思う。
何故書けないかというと自分自身が迷っているからだろう。

もうすぐ師走で忘新年会シーズンだ。
お酒が飲めなくて、お酒の席の振る舞いも苦手で、カラオケもダメというと、この季節はなかなかにつらい。

去年の今頃、来年はもうこの会社にいないだろう、もう会社の飲み会に出なくてもよくなっているはずだと思っていたが、
結局は現状維持で会社に留まっている。

会社を飛び出す才能や勇気がなくて一歩を踏み出せないでいる。
裏を返せば、会社を辞めた日のことを夢想するのがガス抜きになってどうにか現状に留まっていられるのかもしれない。

この前、元同僚の女性と久しぶりに会った。

会社を辞めていった彼女に、今何の仕事をやっているか尋ねると、「習字を教えている」という意外な答えが返ってきた。

公民館やカルチャースクールで子供や社会人に習字を教える個人事業主になっていた。

企業への就職活動をしていて、多分どこかの会社に就職したものだとばかり思っていたので意外に感じたが、彼女ほど字のうまい人を私は知らない。
ずっと書道を嗜んできて職場で字を書く機会があるときには、ペン習字のお手本のような美しい文字を書く。それはパソコンのフォントと見まごうばかりの美しい文字だった。
事情が許せば彼女から書道を習いたいとも思ってきた。

字を書くのが大好きな彼女にとって、習字を教える仕事はまさに天職だ。

聞けば、私と一緒の職場で働く以前、先生として実際に習字を教えていた時期があったらしい。
けれどそのときは生徒さんが集まらなくて、長くは続けられなかったそうだ。

習字を教えてほしいと知り合いに頼まれ結果的に起業となったが、初めは以前のこともあり逡巡する気持ちがあったと彼女は言う。

今は生徒さんの数も増え生活も安定してきたという表情には、やっていけるという静かな自信が見え隠れする。
一緒に仕事をしていた頃とは全然違う彼女がそこにいた。

単純にうらやましいと思った。

人が努力してきたこと、それにかけてきた時間、培ってきたものを見ないで、安易にうらやましいと思ってはいけないのだけど、そう思ってしまう自分がいる。

会社に就職することだけが就職と思っていると、個人事業主や自営業者、経営者としての働き方を除外して考えがちだ。
知識としては知っていても、未知なるもののように思えてしまう。

働いた時間に対して一定の対価が払われる会社員と違って、努力や時間に見合う報酬が得られないかもしれない自営という働き方はリスクがある。
安定性や福利厚生面、仕事を失ったときの問題などもさることながら、何より全ての責任は自分で取らなくてはいけないという厳しい働き方だ。
実際彼女ほど字がうまくても、生徒さんを集められずに断念した時期もあったのだ。

だけど本当に好きなことや得意なことがあれば、会社に就職しないという働き方はありなのではないか。

「内向的だから、自営なんて無理無理」
そんな声が聞こえてきそうだ。

もちろん内向的の度合いにもよるだろうが、自分の好きなことの範疇ならできることもあるように思う。
ネットの無店舗販売とかなら、対面でのやりとりがない分、人との関わりを避けることもできる。

内向的とは違うかもしれないが、彼女もあまり自己主張しないおとなしい控えめな人だ。

会社員という働き方が馴染まなくて、その人しかできない能力や才能があるなら、それを眠らせておくのは勿体ない話だ。

11月下旬の冷たい風とは対照的に、彼女の生き生きした明るい表情が印象に残った。




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