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マッサージとうつ病予防のグルーミング
普段エステとかそういうところには殆ど行かないのだけど、最近親しくなった友人がアロママッサージの仕事をしているというので、私にしては思い切って行ってみた。
アイボリーとペパーミントグリーンを基調にした清潔感のあるプライベートサロン。
デスクワークで浮腫みがちな足を中心にフットマッサージをしてもらう。
知っている人なので最初気恥ずかしい感じがしたが、ベッドに横たわって太ももから足裏まで揉んでもらうと、気恥ずかしい気持ちもどこへやら、深くリラックスすることができた。
温かい掌が心地いい。
これってグルーミングだと思う。
グルーミングとは動物が行う身体を清潔にする行為のこと、つまり毛づくろいのことだ。
セルフで行うものと他の個体に対して行うものとがある。
前者で思い浮かぶのが、猫が手や身体を舐めているところなら、後者は猿が仲間のノミ取りをする姿か。
動物のしぐさを見ていると、身体を清潔にするだけではなく、グルーミングを通して気持ちを落ち着かせたりリラックスさせているのが感じられる。
くつろいだ表情にはとがった感情がない。
この「グルーミング」という言葉は動物だけではなく、人と人とのコミュニケーションに対しても使われる。
人がうつになるのは、色々な原因が考えられるが、脳内伝達物質セロトニンの不足によるものが大きいとされる。
抗うつ薬が、このセロトニンの再取り込みを阻害することで、脳内のセロトニン量を増やし抑うつ症状を改善することを考えれば、セロトニンが健康な生活にとって、いかに深く関わっているかがわかるというものだ。
日常的なスキンシップには、このセロトニンの分泌量を増やす効果があると言われている。
薬を飲まなくても、ハグしたりマッサージをし合ったり直に触れ合ったりすることで、うつ病は予防できる。
直に触れ合うのは誰にでもできるわけじゃないけれど、友人や家族とのおしゃべりや一緒にご飯を食べることなんかでもいいらしい。
それくらいだったらちょっと頑張ればできそうだ。
人がどうしてもダメという人は、人間じゃなくてもペットに触ったりしても効果があるそうだ。
たまに無性に猫カフェに行きたくなったりするが、それも理由があることなのかもしれない。
ふわふわしたものに触れていると、優しい気持ちになれる。
グルーミングはセロトニンだけではなく、癒やしのホルモンや幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの量も増やしてくれる。
いいことづくめだ。
香りのよいほのかなアロマに包まれながら、これからもときどきはマッサージに来ようかなと思った。