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徳川家康と、大人になっても治らない爪を噛む癖
NHK大河ドラマの『真田丸』を面白く見ている。
少し前の回で、内野聖陽さん演じる徳川家康が斎藤由貴さん演じる阿茶局に「爪を噛まない!!」と一括されているシーンがあった。
「徳川家康が爪を噛む?」と不思議に思って検索すると、徳川家康の爪を噛む癖は史料にも書かれているらしく、結構有名な話のようだ。
窮地に立たされたり苛立ったりしたときに、噛んでいたらしい。
私も恥ずかしい話だが、子供の頃からずっと爪噛みが治らない。
みっともない悪い癖という自覚があるので、人前ではやらないが、一人になったときはつい出てしまう。
常に深爪状態だから、形は子供の爪のように丸くて小さい。
長い爪に可愛らしくネイルを施している女性を見ると素敵だなと憧れるが、私には関係ない話だと思ったりする。
見栄えも悪く、見る人が見ればばれているのかなと思う。
衛生的にも問題があるし、爪の変形に繋がったり、噛みすぎた場所から細菌が入るリスクや出っ歯になることもあるらしく、碌なことはない。
爪を噛む心理には、不安や緊張から解放されたい、精神的な安定がほしいという気持ちが隠れている。
要は赤ちゃんの指しゃぶりだ。赤ちゃんはお母さんのおっぱいを口に含むことで満足し安心する。それがいつでも叶うわけではないので、できないとき自分の指をしゃぶって心を満たす。この赤ちゃんが口や唇を通して外界との関係を確かめ欲求を満たしていく時期を「口唇期」という。
唇での欲求が満たされなかったり逆に過剰な状況で育つと、口唇期の欲求にこだわる「口唇期固着」になるのだそうだ。
思い当たる節はある。
人前ではさすがに爪噛みはできないのが、手はともすれば口の付近を泳ぎやすい。
不安や緊張する場面では、無意識に顎など顔の辺りに触れていることが多い。そうやって緊張を緩和しようとしているのだ。
精神的に未成熟で幼児性が強いのだと思う。神経質でちょっとしたストレスにも弱い。
爪噛みは、リストカットなどの自傷行為の一種でもあるらしい。
自傷行為というと大げさな感じもするが、爪噛みが高じて血が出たり、指の皮を剥いでしまう人がいることを考えれば、それも頷ける。
治す方法としては、爪を最初から短く切っておく、マニキュアを塗る、ハンドクリームを塗っておく、ガムを噛む、指にテープを巻くなどの改善策がある。
私はタバコは吸わないが、爪噛みがなかったらヘビースモーカーだったかもしれない。
ヘビースモーカーやアルコール依存症も「口唇期的性格」の一つだ。
どういうときに爪噛みが出やすいかというと、私の場合は、一人で考え事をしているときだ。
一人でいるときには対人的なストレスはないから、手が空いていて、何かを集中して考えているときに出る。
治ればいいなくらいに思っているが、なかなか治らない。批判を恐れずに言えば、手軽なストレス解消を多分手放したくないのだ。
最大のネックは、数々の悪癖に比べれば、まだ可愛いような気がしているところだろう。
阿茶局に怒られながら爪を噛む徳川家康が何だか憎めない。
(ご不快になられた方申し訳ございません。爪噛みを推奨しているわけではありません。)