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日常の役割から解放される「サードプレイス」という空間

日常の役割から解放される「サードプレイス」という空間

<2017.7.2>

サードプレイスと言う言葉をご存じだろうか。
アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが、その著者『サードプレイス』の中で提唱した概念で、都市生活者は、自宅、ファーストではなく、また職場、セカンドでもない、第3の場所、つまり「サードプレイス」が必要なのだという。

オルデンバーグは、都市化によって、サードプレイスが失われ、家と職場の往復になっていることに警鐘を鳴らす。

この本を読んではいないので、オルデンバーグの書いた内容からは離れるかもしれないが、個人的にサードプレイスという概念には強く引き付けられる。

具体的なサードプレイスの場所としては、日本なら、カフェやパブ、居酒屋、ジムやヨガスタジオ、または図書館や自習カフェ、公園などがあげられるだろう。高層ビルの展望台なんかもいいかもしれない。

昨日たまたま、NHKの『ドキュメント72時間』を見ていたら、湘南の海が放送されていた。終わりの方を少し見ただけだが、様々な思いを抱いた人が、海を眺めに行き交う姿が映し出されていて、ああ、サードプレイスだなと思った。
季節的には夏前で、海水浴とかそういう目的ではない人たちが、寄せては返す波を眺め、何かを感じて帰っていく。

私は海からは少し距離の離れたところに住んでいるので、サードプレイスに海という選択はないが、会社の帰りに寄れるほど近くに海があったら、ときどき眺めに行くと思う。

私にとってのサードプレイスは、会社帰りに立ち寄るカフェと言うことになる。
スタバのコンセプトは、このサードプレイスだろうが、スタバに限らず、一人で入れるカフェは、リラックスして自分らしくいられる、大切な場所だ。
そこでコーヒーを飲みながら、ブログを書いたり本を読んだり、人間観察をしたり、飽きたらただぼんやりと時を過ごす。

人がなぜサードプレイスを求めるのかと言うと、日常の役割から解放されたいからだろう。
職場では会社員という役割、家であれば妻とか夫、母とか父、息子、娘など様々な役割がある。

その場所にいる限り、その役割から逃れることができない。家族がいるからこそ得られる幸せがあったり、職場であれば収入が得られたりもする。

でも、ときに人は、その役割から一時的に解放されたいと思う思うものではないだろうか。
役割の中にいるとき、常に何かを期待されている。きちんと仕事をこなす事だったり、家族の一員としてするべきことをすることが求められる。

役割を通して何らかの価値を提供することで、居場所を得る。貢献できる事は嬉しい事でもあるが、プレッシャーもある。

人によっては、その居場所を作ることができないくて苦しんでいる人も多いはずで、それが生きづらさに繋がっていると思う。
カール・ユングの言うペルソナにも関係してくるところだと思うが、長くなったので、それは別な機会に書こうと思う。

役割から解放されて、ただの素の自分でいられる場所が、サードプレイスというわけだ。

カフェでもお客という役割を演じているんじゃないの? という人もいるかもしれないが、カフェの私は、人の目に映ってはいるが、ほとんど意識される事が無い透明の自分だ。
いくらかの貨幣と交換に、役割を降りて一息つける時間を得る。この時間があるからこそまた役割に戻っていくことができる。

カフェは、そんなふうに私にとって大事なサードプレイスではあるが、時に少し物足りなくも思う。

自分の中に埋没できる場所の他に、緩やかに繋がる交流型のサードプレイスを得たいとも思うのだ。
私を認識してくれるような、けれどそれほど明確には役割のないコミュニティ。

行きたい時に行って、そこにいる誰かと話して交流して、過ごしたいだけの時間を過ごせるような場所。
そんな居心地のいい空間があればいいけれど、その存在を私はまだ知らなくて、また見ぬその場所に思いをはせたりしている今日この頃だ。


サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所
サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」




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