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怒りは負の側面だけを持つものではない

怒りは負の側面だけを持つものではない

嫌なことがあった。
怒りがしこりのようにお腹にたまっていく。

でも健全な怒りは悪いばかりではない。
自分を責めたり相手にぶつけたりせずに、エネルギーに変えることもできる。

私も含め、他人との軋轢や諍いを避けたい人間は、自分の内に宿った怒りを恐れる。
怒りが暴走すると手にを負えなくなることを知っているからだ。

一度火が付くとコントロールが効かなくなる。怒りに任せて行動してしまったことは取り返しがつかない。
怒りのもつ圧倒的な力…破壊力を恐れる。

けれど、怒りがあるのに怒りがなかったようになかったことにして封じ込めるのは、自分に嘘をつくのと同じことだ。
怒りがないように振る舞っても怒り自体が消えるわけではない。出口を失った怒りは、内部で燃え広がる。

いじめを受けた子供がいじめた人物に怒りを向けるのではなく、自分自身に怒りを向け、結果自殺をしてしまう…そんな悲劇が度々起こる。

怒りの矛先は、いじめた相手に向かうのが健全なはずなのに、いじめによって冷静な判断力を失った心は自分へと鉾を向ける。

一人を集団でいじめるような心ない行動を取る人間に怒りを覚えるのではなく、怒りの力を自分を責めることだけに使ってしまうのだ。

そんなニュースを見聞きするたびに、痛ましくてたまらない気持ちになる。

怒りは使い方を誤ると、恐ろしい結果を招く。

けれど、怒りほど現状を変える力を持つものもない。
理不尽なことをされたら、怒りを覚えるのは当然のことだ。

その当然のことを自分に許してあげて欲しい。
怒りを持つ自分の気持ちを一旦受け入れてあげてほしい。

ただその怒りのエネルギーをどう使うか、出すのか出さないのか、出すとすればどんな方法で出すのかは考えた方がいい。

例えば、いじめを受けているのなら、その怒りを直接相手にぶつけるのがいい場合もあるが、家族や先生、第三者に相談したり、学校に登校しない、全力でいじめから逃げるなど、怒りを具体的な行動に変えるという方法もある。

また、後わずかで転校や卒業が決まっているような状況なら、いじめる人間を徹底的に軽蔑して、現状は何もせずにしのぐという考え方もあるだろう。

間違っても自分自身を滅ぼすことに使ってはいけない。

怒りの持つ圧倒的な力は、現状を変える起爆剤として使うことができるのだ。

そう考えると、怒りは必ずしもネガティブな側面を持つものとばかりはいえないことに気づく。

怒りを健全な方向に使うこともできるのだ。

なるべく自分の中の怒りに気づかないようやりすごそうとしてしまうけれど、うまくつきあっていきたいと思う。




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