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時には自分の価値観を主張しなくてはいけないときもある


時には自分の価値観を主張しなくてはいけないときもある

人価値観は人によって違う。

人それぞれ多様な価値観が存在していることを皆頭ではわかっていると思うけれど、世の中には自分の価値観を絶対視している人がいて、その人の信じる価値観を押し付けられることがある。

「言われなくても常識で考えて」
「だってこれが正しいから」
「普通はそういう感じ方はしないんじゃない?」

その人の価値観の正当性を証明する為に、「普通」や「常識」や「正しい」といった言葉で、行動や考え方を断罪されるともやもやしてしまう。

そして始末に悪いのが、価値観を押し付けてくる人に悪気や悪意がないことも多いことだ。
もちろん悪意を持って人を支配しようとする人もいる。

けれど悪気なんかなくて、ただ自分の言っていることは正しくて間違いがないから、それを言うのが当然と思っている人に困惑してしまう。

多分価値観を押し付ける人は完璧主義で、正義感が強いのだ。

自分の考えは正しいから、周囲の人間にもその世界の構成員として、正しく普通で常識的な行動をさせなくてはいけないという無意識の使命感に囚われている。
そうすることで相手はよくなるし、幸せになれると信じている。自分の理想世界の体現を常に目指している。
だから声高に主張する。

悪気はなくても自分と同じ感じ方をしろという圧力や干渉は、脅威だ。愛情と見まごうばかりの過干渉は恐ろしい。

私は自己主張が得意じゃないし、言い返さないし、言い返せないから余計に言われるのだと思う。

道に外れた、倫理観を著しく欠いた行動をしているなら言われても仕方がないけれど、指摘されるのは別に正解なんてないような些細なことだったりする。

つまりお節介を焼かれているわけだけど、「お節介」という言葉のイメージよりもっと強大なもので、これを継続的にやられると相当にダメージを食らう。

そして仕掛けてくるのが、ごく身近な人が多いということ。
というより、関係性の遠い人なら嫌なら離れることが可能だったり継続的でなかったりするけれど、身近な人からは離れるのが難しく、その人が自分の考えに固執する人だった場合、相容れない価値観に踊らされることになるわけだ。

相容れない主張でも、私が重きを置いていないことなら別に譲っても構わないと思っている。
どんなシーンでも自分の主張を通そう、価値感の正しさを示そう、相手を抑えつけようと心を砕く人もいるが、どんなシーンでも主義主張を通すなんて、そんな面倒なことをしたいとは思わない。

一見相手を屈服させているように見えても、実際のところ相手は話を合わせているにすぎないかもしれないし、勝っているように見えて、その実は勝ってなどいないこともある。
表面的には言うことを聞いてる風で、内実は疎まれたりすることもあるのだ。
だから、全てで勝ちになんて行きたくはない。

ただ、本当に譲れないことは、自分の気持ちを主張しなくてはいけないときもある。
本当に勝ち取らなくてはいけないことも放棄して、自分の総てを差し出してはいけない。

泣き叫んだり感情的になったりする必要はないけれど、
「あなたがその価値観を大切にしているのはわかる。それと同じくらい私にとってはこれが大事なんだよ」と毅然として伝えることは必要だ。

そうしないと、隷属的な関係に不満が溜まりに溜まって、いつか爆発してしまう。
爆発しなければ、自分の気持ちをないがしろにする自分に嫌気が差す。ひいては自分自身を見失ってしまう。

相手の主張を受け流して、大人の振る舞いをしようとしても、自分に誠実でなければいつか無理が来る。

争いたくない人間にとって、自分の意見を言うことはものすごく勇気がいることだ。
勇気を出して伝えても、わかってもらえないことも多い。
わかってもらおうと、相手を変えようとすると、報われず疲れるばかりだ。

自分だって変わらないのだから、相手が何十年と培ってきた価値観、己の核となる部分を易々と手放すわけがない。

だから、主張自体を理解して貰わなくていい。
そのことに対して、何か思うところがあるんだと伝わればそれでいい。
面倒くさそうだから触れないでおこうと思ってくれたなら、大成功だ。

本当に譲れないことは勇気を出して伝えていこう。
自分を大切にする第一歩として。




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