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ネット依存を克服して、自分の人生を始めよう
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(石徹白未亜 著) を面白く読んだ。
ウェブサイトを「後悔」をキーワードにして「黒ネット」「白ネット」「無害」に分けて、優先度の高いものから節ネットしていこうという内容だ。
黒ネット…見たことに対する後悔が大きいもの。【節ネット優先度高】
白ネット…ためになったり面白かったりで後悔はないもの。【節ネット優先度低】
無害…仕事や生活で必要なもの。【節ネット対象外】
『節ネット、はじめました。』より
軽快な語り口と自虐ネタ満載ですいすい読むことができた。
ついダラダラとネットを見続けてしまう私は、いちいち頷いてしまう。
興味のある方は『節ネット、はじめました。』を読んでいただくとして、私が数年前にはまった、心がざわつく黒ネットは「発言小町」だった。
ネットで検察していると必ずと言うほどヒットしてくるから、知らない人はいないと思うけれど、YOMIURI ONLINEの掲示板サイトで、投稿者が質問し不特定多数の人から回答をもらうというもの。
初めは、自分の人間関係の悩みなんかの答えを探してたどり着いて、自分と同じように悩んだり苦しんでいる人がいるということに救われた。
だけど、そこで終われずにもっと色々な悩みを読みたくなって、次から次へとスレッドを読み漁るようになった。
自分にはおよそ関係のない人生相談が面白く感じるようになって、どっぷりはまってしまった。
トピ主を苦しめる誰か知らない他人に、感じる必要のない怒りを向けて、見たくない現実から遠ざかる。
「小町」は、いつか自分の悩みから逃避する手段に変わっていた。
誰かの悩みに応えて、何かしらの回答を投稿していたなら誰かの為になったかもしれないし、明確な答えを示してあげられなくても共感を投稿していたなら、悩んでいるのは自分だけじゃないという誰かのささやかな支えになれたかもしれない。
少なくても投稿していれば、自分が立ち止まって深く掘り下げるきっかけになったと思う。
だけど私は、書き込みは一切しないROM専だった。
誰かが悩んでいることを娯楽か何かのように消費していたと思う。
モラル観が少し一般的ではなかったり、マイルールに固執したり、不用意な質問をするトピ主に対する個人攻撃が時に凄まじいことも目につくようになった。
トピ主に好意的な回答だけをしようなどと言うつもりは毛頭ないし、辛口で辛辣で毒のある回答の方が読む分には面白かったりするのだけど、殆ど同じ内容のネガティブ回答が延々続くスレッドは、読んでいてイライラした。
叩いていいような空気ができあがると、次々とトピ主叩きが起こる。
正義の鉄槌を振り下ろして誰かを断罪するのは、ストレスのはけ口になるだろう。
けれど質問しているのは機械じゃなく生身の人だという視点が抜け落ちている気がして怖くなった。
きつい回答が続く中、トピ主を庇ってあげるヒーローがいればまだ救われるのに、そういう人はあまり現れない。
自分がそうしてもよかったのに、庇う勇気もなく深く考えることもせずに刹那的に、ただ読み続けるだけだった。
自分の悩みに向き合いたくない為に、人の悩みを利用する性質の悪い依存だった。
決して楽しくないのに、それどころか時間を浪費してイライラしながら「小町」にいることに疲れ、封印した。
しばらくの間は、覗きにいきたくてたまらなかったが、やがてそれも落ち着いた。
当時はそういう個人攻撃のようなスレッドばかりが目についたけれど、実際の「小町」は、真剣に悩んでいる見ず知らずの人に対して、驚くほど丁寧に真摯にレスを返している人も数多く存在する。そちらが真骨頂だろう。だからこそ惹かれた。
私のスタンスが、間違っていただけだ。
今は検索していて「小町」にたどり着くことがあるが、そのスレッドを読んだらそれで終わりにすることができる。
「小町」は、今では私にとっては白ネットだ。
ブログを書くようになり、「小町」ではないサイトで少しずつコメントもつけるようになった。
日常に息苦しさを感じているブログに遊びにいくようになり、自分に向き合う苦しさもあるが、言語化できないもどかしい思いを鮮やかに綴ってくれるブログには本当に救われている。
ネット中毒の自覚のある人は黒ネットを駆逐して、今すぐ自分の人生を始めた方がいい。
節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す