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HDDを交換したら、更新しなくなったサイトを見つけた
自宅で使っているデスクトップパソコンの調子がよくなくて、HDDを交換した。
知識が半端なので、人に聞きながらどうにか終わらせた。
OSまで含めたクローン作成を目論見たが、無料ソフトを2種類程試してもうまくいかなかったので、諦めて仕方なく初期化することにした。
前のHDDはガリガリとものすごい音を立てていたけれど、新しいHDDは静かだ。
各ソフトのインストールはまだ途中だけど、少しずつ前の環境に戻っっている。
このパソコンはもう5年選手なので、HDD以外にも不具合が出てくるかもしれないけれど、しばらく様子見だ。
前のHDDを外す前にバックアップを取った。
こまめに取らなくちゃと思うが、結構大ざっぱな頻度でしかやっていない。
この『生きづらい。それでも生きていく』は、ブログサービスを使っていないので、サイトデータを送信するときには「FFFTP」という、ファイルを転送するソフトを使っている。
「FFFTP」の設定をメモ用紙に書きとめながら、このサイトとは別サイトの存在に気付いた。
別サイトも自分が作っていて、その存在を知らないはずはないけれど、更新しなくなったホームページのことを考えたくなくて放置していたのだ。
そのサイトは、趣味で通うカルチャースクールの仲間数人の作品を紹介する為に作り始めた。
アート系の作品を作るスクールだったので、作品や展示会のお知らせ、講座の様子なんかを発信という程大層なものではなく、ただアップしていた。デザインも稚拙で、多分仲間内でしか見られていなかったと思う。
スクールへは、純粋に芸術作品を制作したくてというより、制作という共通の話題を持ち、人の顔が見えるところで何かをしたくて通っていた。その時間は充実していたし、楽しかった。
ホームページはその延長みたいなものだった。楽しい時間をもっと味わう為に作っていたのかもしれない。
皆も同じ気持ちだと思っていた。
けれどその中の一人と、あることをきっかけにケンカ別れをしてしまう。(友達をなくしたこと)
結局その人は、仲違いをしたままカルチャースクールをやめてしまった。
前後するように、先生や他の仲間も病気や家の事情で、スクールから離れていった。
カルチャースクールに何年もいるとわかるが、どんなにその趣味が好きでも長く続けられる人は限られていて、皆、色々な事情でやめていく。
今、スクールの顔ぶれはすっかり変わってしまった。
新しく入った人たちのことは好きだけど、もう皆のホームページを作りたいとは思わない。
すっかり臆病になってしまったし、深く立ちいらない方が長く続くように思えている。
もう更新もされることはなく誰にも顧みられることのないサイトは、広大なweb世界に亡霊のように漂う。
私のサイトに限らずこんな風に打ち捨てられたサイトやブログは、気が遠くなるほどあるだろう。
今こうして書き込まれたログも、一瞬後には過去のものになっていく。
確かに一瞬存在していたが、新しい経験が積み重なって、気持ちも移り変わっていく。
パソコンやスマホはただの家電製品かもしれないけれど、思いが乗る分、罪作りだなと思う。
web世界は、未来は別として、すべての思いや出来事が書き込まれるアカシックアレコードを小さくしたもののようだ。
でも、悪いことばかりではない。
終わりが悪いと全てに意味がなかったように考えてしまうが、その楽しかった時間が存在したのは紛れもない事実だ。
「FFFTP」を開けて、サーバから全ファイルを削除した。
胸が痛むかなと思ったが、少しちりちりしただけだった。
タイトルをネットで検索しても、もうトップページが表示されることもない。
登録していた無料ホームページスペースに行って、そこからもサイトアカウントも削除する。
web上からは削除されたが、元のデータ自体は古いHDDの中に眠っている。
バックアップはとらずに、もう使う予定のない古いHDDの中にこのまま残しておこう。
そんな時間が存在したことのひとつの証しとして。