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内科に心療内科が併設されているクリニックへ行く

メンタルヘルスクリニックに通う大分前、診療内科に行ったことがある。
心療内科と言っても、精神科が併設しているところ、内科が併設しているところと、様々あるので、ひとつの例として読んでほしい。
その頃は自宅で仕事をしていて、社会とはあまり関わりのない生活を送っていた。ただ半年に一、二度位、会合に出席しなくてはならず、人集まりで極度に緊張する私の苦痛の種だった。いい年をした大人なのに、うまく話せない自分を恥じていた。
社会不安性障害ではないかと疑っていた。人と会うときにはいつも、この悩みがなくなったらいいと思っていた。
精神科というと敷居が高い感じがするが、心療内科はもう少しライトなイメージがある。
ネットで調べて、内科と併設になっていて、家から少し離れた病院に行ってみることにした。少し離れた病院を選んだのは、知り合いに会うのを避ける為だ。会っても、風邪だといいわけができるよう、内科と併設になっているところは都合がよかった。
その頃、精神科や心療内科というものに過大な期待をしていたように思う。
心療内科と精神科の違いもよく分かっておらず、イメージだけで心療内科を選んでいた。
心療内科と精神科の違いは、おおざっぱに言うと、精神科は心の症状や病気を扱う科であり、それに対して心療内科は、身体に症状が出る場合の症状を治療する科のようである。
強い不安感があったのだから、精神科へいくべきだったのかもしれない。
そうはいっても明確に線引きがなされているものでもないようだ。
そういう場所と縁がなかったので、自分にしては一大決心をして心療内科の扉をくぐる。
普通の内科と変わらない待合室があった。内科が併設しているのだから当然のことだ。
風邪を引いたような何気ない風で、順番を待つ。
一人の先生が全ての患者を診察していた。
診察では症状を聞かれ、二言、三言、会合に出ると緊張してうまく発言できないことを説明する。
診察室は長細い一室で、他の患者さんと別室にはなっておらす、衝立が立っているだけだった。
会話が聞かれそうで、話しにくい。
先生は、「今、そういう人多いです」と言って、薬を出してくれた。
今となっては、その薬が何だったかのも覚えていない。
もう少しカウンセリング的な何かがあると思っていたので、拍子抜けした。
よく考えれば風邪を引いたり内科の患者さんが順番待ちをしている中で、長々と診察なんかできないのは分かりきったことだった。
処方された薬は眠くなるばかりで、効いている感じはしない。
心療内科がどんなところかが分かり、過大な期待はやめた。
薬も飲んだり飲まなかったり。
それでも三、四回は通った気がする。二回目以降も、初診のときとさして変わらない。
「薬は、いかがですか」
「あまり効いている気がしません」
「薬も合う、合わないがありますから別な薬に変えて様子を見ましょう」
薬が変わることにも抵抗があった。
外に出る機会が多くなく、それ程、差し迫った状況もなかったので、じきに病院へは行かなくなった。
もちろん全ての心療内科がこんな感じではない。
現に、後に通うことになるメンタルヘルスクリニック(精神科)では心療内科も診療科目に含まれていて、精神科医の先生が診察してくれていた。
内科が併設している心療内科は敷居が低いが、自分には合わない気がした。
もっと自分の話を聞いてもらいたいと思ったのだった。