- ホーム
- その他日々感じたこと
- 慢性的な身体の不調があって初めて鍼治療を受けてみた
慢性的な身体の不調があって初めて鍼治療を受けてみた
<2018.10.5>
慢性的な身体の不調があって、病院には通っているがなかなかよくならない。
対症療法的な西洋医学では難しいのかもしれないと感じて、東洋医学的なアプローチではどうだろうと思い立って、鍼治療に行ってみることにした。
ネットで調べた鍼灸院は、施術メニューに私の疾患も載っていて、効きそうな感じだ。
鍼灸師さんが一人でやっているところだった。
結論を言うと、リピートは多分ないなということだった。
マンションの玄関を入ると、一枚扉を隔てた部屋が治療室になっていて、施術用のベッドが置いてある。「予約したものです」と挨拶を交わすと、横になるように促されて、そのままベッドに横になる。
後頭部に刺激があった。鍼だった。
痛みはないものの、初めてだったので少し驚く。予約するときのメールフォームには、身体の不調箇所についての設問があったので、1、2行くらい簡単に記入はした。
実際には鍼を打つ前に、何かしらの問診があるものだと思い込んでいたが、「始めますね」の声掛けも何もなく、突然施術が始まっていた。
「鍼、初めてなんです」と投げかけると、「そうなの? どこかで受けていると思ってました」という答えが返ってきた。
今は行っていないが、メンタルヘルスクリニックに通っていた頃も、初回の問診はかなり詳細に行われた記憶がある。定期的に通っている整体でも初回の問診はもちろんあるし、普段の施術の時にも必ず身体の状態について問いかけがあって、その後、直に肩や首に触れて身体の状態を確認してくれる。
多分そういう対応をどこかで期待していた。
鍼灸師さんは、躊躇なく次々と鍼を打っていく。
鍼自体は痛くなくて、程よい刺激がとても気持ちがいい。だけど、私が言わなければ、いつから症状が始まって、どういうときに痛いのか、どこが辛いのかを訊ねもしない。身体に触れての確認もない。
「こんなになっていて、辛かったでしょう?」というような共感的な言葉掛けもない。
だから、私も「辛くて大変なんです」という弱音を吐きにくくなる。
鍼さえ打ってもらえばOKという人も多いのだと思う。
でも私は鍼だけじゃなくて、カウンセリング的なもの、共感的な理解を求めていたらしい。そんなに大きげさなものじゃなくて、その気配みたいなものを。
慢性的な不調なので、すぐに劇的に症状が治まるようなことはないと思う。だから弱音を言いたかったのだ。辛さをわかってくれそうな誰かに。
人の悩みなんかもそうで、人に話しても解決しないことは多い。
アドバイスをもらっても、アドバイスをくれる人とは個性も考え方も違うから、それは実現できなそうなことだったりもする。
でも、時に誰かに悩みを吐き出したくなるのは、辛さに寄り添ってほしいからだと思う。
悩みそのものが解決しなくても、親身に聴いてもらうと行き場のない辛さが軽くなることを、人は無意識に知っている。
「辛かったね」の一言や、傾聴的な態度、辛さへの配慮、何より相手の優しさに救われる。
くじけそうな気持ちを前向きに変える勇気をもらうのだ。
鍼自体は、気持ちがよかった。鍼灸師さんも感じの悪い人ではなく、一般的な世間話もあった。
だから、残念に思う。共感的な対応が少しでもあればリピートしたと思うから。
もっとパーソナルなものを望んでいた私のニーズには合わない。
それを望むのは、そう我ままなことでもない気がする。
続ければ鍼治療は効果がありそうなので、もう少し話を聴いてくれそうな鍼灸院を探してみようかな。