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そうだ、会社を辞めようと思う日

朝起きて今日が休みではないことに気づくと、会社に行きたくない、会社を辞めたいという思いが頭をもたげる。
もうずっとこんな日が続いている。
会社を辞める人間は、いつ会社を辞めようと思うのだろうか。
「鬱で身体を壊してまで仕事を続ける必要はない」に書いた、鬱病で会社を辞めた同僚は、辞めると告げた日、何かがふっきれたような、どこか清々しい表情を浮かべていた。
その日までそれらしい兆候がなかったので、会社の皆は一様に驚いたのだが、後で彼女の机の中を整理すると、机の中はきれいに片付けられていて、私物も殆ど残っておらず、ずっと前から辞めることを考えていたことを窺わせた。
多分、辞めようと思った日はずっと前だったのだろう。
翌日から彼女は来なくなったので、引き継ぎもなかった。
その日が限界だったのかもしれない。
学生時代に建築関係の職場でバイトをしていたときには、測量技師の人がある日、突然来なくなった。
無断欠勤を続けた後、結局退職ということになったのだが、その前日、社長から皆の前でこっぴどく叱られていたのを思い出す。
30代の男の人だったが、叱責によって溜まりに溜まっていたものが、抑えきれなくなったのだろう、激しく社長と衝突した。
不満はあってもその日まで明確に辞めようと思っていなかったかもしれないが、売り言葉に買い言葉…後には引けなくなった。
その日が彼のXデーになった。
パワハラを受けていた前の会社の同僚は、辞めると告げたが、慰留されて一度はとどまった。
彼女も生活がかかっていたから、社長のパワハラが少しは収まるのではないかと期待していたと思う。多分社長も彼女を引き留めた時には、彼女に対する扱いを少しは改めようと思っていたと思う。そんな気配があった。
けれど、皆の前での罵倒や叱責、無視…社長の行動は変わらなかった。
でも人はそうそう変わらない。ましてや上に立つ人なら尚更だ。
結局彼女は諦めて、二度目の辞表を出した。今度は社長も引き留めなかった。
友人は、部署が変わって、技術職から営業に近いことをしなくてはならなくなり、それが原因で辞めた。
部署が変われば、彼女がやりたいことからは離れてしまう。時を待てばまた技術職に戻れるかもしれないが、その確証はない。
「モチベーションがなくなって」と彼女は言った。
「こんな気持ちで勤めているのは会社にも悪いから」
友人の言っていることは、すごく納得できる。
もう自分の中で辞めるという気持ちは、ほぼ固まっている。
やる気のある人に席を空けて、潔く身を引くべきなのだ。その方が会社にとっても辞める人間にとっても、双方にメリットがある。
経済状況や自分の能力のなさで踏ん切りがついていないが、不満は澱のように溜まっている。
何かきっかけがあれば、たやすく一線を越えてしまうだろう。
それを不安に思いながら、同時に期待している自分もいる。
そうだ、会社を辞めようと思うその日に向かって、できる準備を淡々と進めようと思う。