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友達をなくしたこと-2
以前に長年つきあった友人を失言から失ったこと「友達をなくしたこと」を書いた。
会う機会がなければ、あれで終わる話なのだが、所属は違うがサークルの関係でごくたまに会ったり、連絡をとらなければならないことがある。
あの出来事があってから2年の月日が経っていた。
先日、たまたまサークル関係者何人かで会う機会があったので、彼女を少し離れた場所に呼んで、あのときの非礼を詫びた。メールや手紙では謝っていたが、直接謝る機会はなかった。そういう機会を彼女は拒んでいたから。
できれば、少しずつでも元の関係に戻りたいと話してみたが、彼女は、終始固い表情をしていた。
しばらくして彼女から一通の手紙が届いた。内容は、距離を置きたいこと、私の行動の気に障る点などが書き連ねてあった。冷静で丁寧な文章だったが、行間から怒りが滲み出るような手紙だった。
時間が彼女の気持ちを軟化させたんじゃないかという淡い期待があった。けれど、彼女は2年もの間、怒りを熟成させていたことに気づいた。この人の中に、赦しは存在しないのだ。
今この手紙が届くことにどんな意味があるんだろうと考え、初め彼女なりのけじめなのかとも思った。でも、そうではないことに気がつく。彼女の態度が変わらなければ、関わりを持つ気持ちはなかったが、今回の手紙は、少しずつでも元の関係に戻りたいと私が言ったことに対する牽制だったのた。実際あの件があって、嫌われていることを感じてからは、連絡も控えていたが、会ったことで、今後つきまとわれてはこまるとでも思ったのかもしれない。
彼女の控えめで穏やかなところが好きだった。
でもそれは、私が彼女に勝手に被せた幻想にすぎなかったのだろう。好きだった彼女のことを考える度に、嫌な気持ちになる自分を哀しく思う。
もう彼女にとっても私にとっても互いは過去の人なのだ。
彼女のことを考えない、彼女に囚われない自由が私にはある。だから、もう彼女のことは心の中の小箱にしまって、開けないことにしようと思う。