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常に怒っている人

常に怒っている人

常に怒っている人は、実は結構多い。

私が強く言い返せないせいもあるのかもしれないが、社会人になってからの上司ではかなりの確率で存在する。

被害に遭う方も辛いのは勿論だが、常に怒りを噴出している人も、楽しい生き方からは縁遠いと思う。そういう意味で、常に怒っている人も生きづらいのではないだろうか。

いつも不満を噴出させなければ生きていけない程に、怒りが身体に充満しているのだ。身体にも精神衛生上も、いいことはない。

常に怒っている人の中で一番インパクトがあったのは、以前の職場の営業所長の奥さんだった。
一見、ボーイッシュに見える奥さんは、その雰囲気から周囲からは男らしいさっぱりした性格だと思われていた。自分でも男勝りで気が強い性格で、けれどさっぱりしていると思い込んでいたようだった。

が、内情は違っていた。

小さい営業所なので、午前中営業の人たちが出てしまうと、事務所に残されるのは私と奥さんだけになる。
まず仕事を覚えるまでが辛かった。怒気を含んだ言葉や嫌味が常に飛んでくる。言い方がきつい。常に怒り口調なのは、そういう口調が癖なのかとも思うが、電話口の上司などにはやたら愛想がいい。

普通に仕事をしているだけなので、普通の口調で指示が出せないのかが疑問だった。
私が仕事を覚えるのが遅かったというのも一因ではあるだろう。でも2人きりの事務所で陰険な嫌味を言われ続ける光景は、かなり殺伐とする。そこの営業所に入社したのは、ある人からの紹介だった。紹介者に恩義のあった所長と奥さんは多分私を入社させざるを得なかったんだと思う。

後で別の営業所の人から聞いたところによると、「私が気に入らないから意地悪をしてやめさせよう」と所長と奥さんは示し合わせていたらしい。
前任者も、奥さんが辞めさせていた。

そんな状況だったので、私はいつも怒られていたように記憶している。



仕事をある程度覚えてからは、なるべく怒られないように気を遣った。
かなり午前中が忙しい会社で、午前中は電話とFAXの注文の嵐となる。
奥さんが受けた注文で私の管轄のものは、配送センターに私が発注するのだが、忙しい中、受けた注文のいくつかを私に伝え忘れることが多かった。
注文していないことが発覚すると、必ず私が忘れたことになるので、忘れていそうなときは「今○○会社さんから注文でした?」とやんわり聞くようにして、なるべく怒られるのを回避するようにした。

その頃になると、奥さんとの付き合い方のコツのようなものが大分分かってきたが、そうなると今度は他人の悪口と愚痴が始まった。

奥さんは、他人のすることがとにかく大体気に入らない。違う人間なんだから、奥さんが考えるようには誰も行動してくれない。けれど、それは奥さんにとって許しがたいことなのだ。

それも内容はほんの些細なことなのだ。例えば他の出張所が電球の請求を出してくるけど、自宅兼用なんだから自分で買えとか、宴会の席で誰がお酌をしなかったとか、定年退職近いおじさんの営業日報のタイムラグがおかしいとか、私にとっては取るに足らないことに思えることばかりだった。

しかも現在進行形のことだけじゃなく、昔に遡って不満が噴出する。

所長と夫婦喧嘩とした日等は、いつにもまして機嫌が悪いから、とばっちりで大変だった。
不満のシャワーを毎日浴び続けて、地獄っているのは、針の山に登ったりすることじゃなく、こういう日々が毎日続くことなのかもしれないと漠然と思っていた。

事務員が私じゃなくて、奥さん自身だったらよかったのにね。でも奥さんが二人いても、どちらも気が強いからケンカしてたかもしれない。

私がもう少し話術に長けていたら、テレビの話なんかで、少しは場が砕けたように思う。
接点もあまりなく、萎縮するばかりだったけれど。

常に怒っている人は、2度嫌な思いをすると思う。一つ目は嫌な出来事があったという事実で、二つ目はそれを話すことで嫌なことを追体験することで。愚痴や不満を言うことですっきりしたような気がするかもしれないが、それは幻想だ。

でもあの頃、奥さんは怒りや不満を吐き出すという話術しか持っていなかったのかもしれない。私にはそうは言わなかったけれど旦那…所長に不満があったのかもしれない。

今は仕事も辞めたようだから、いつも怒っている自分から離れて、ご自分の思っているさっぱりした性格になれているといいのにと切に思う。




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