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人間関係や趣味の断捨離。やめどきっていつだろう

人間関係や趣味の断捨離。やめどきっていつだろう


最近、所属していた団体をやめた。

趣味でアート系の作品をずっと作り続けてきた。
美術学校とかそういう大掛かりなところではなく、カルチャースクールの習い事の範疇だけど。

始めたばかりの頃、ただ制作するだけで楽しくて、技法を教えてもらうだけで嬉しくて、仲間と作品について語り合うだけで幸せだった。
10年以上も続けて、それがいつか自分のアイデンティティになるんじゃないかと願っていた。

材料や温度やそのときどきの状況で、なかなか自分の思うような作品に仕上らない不確実性も、思う通りにならない年下の恋人のようで、好きだった。いつか微笑んでくれれればいいなと思っていた。

だけど、仲間が病気や色々な理由で続けられなると、制作はそれほど楽しいものではなくなった。
才能ある人がどんどん上達するのを尻目に、同じようなところで停滞しているのを感じると、制作はつまらなくなった。
グループ展や作品展でコミュニケーションスキルのなさが露呈する頃になると、制作は義務のようになった。
仲間とのいさかいがきっかけで関係が修復できないものになる(友達をなくしたこと)(友達をなくしたこと-2)と、制作は作業になった。
評価の高い作品を作ろうとすると、制作は苦痛なだけになった。

多分私が本当に、作ることが好きだったら、そんなことには屈せず一心に作り続けたことだろう。アートを究めることができる人は、作らなければ生きていけない人だ。
息をするように作品を作る。障害に負けることもない。やめようとしてもやめることはできない。それはその人の一部だから。

残念ながら、私はそうではなかった。核となる表現したい切実なものがなかった。

スポーツの世界は残酷だ。やめどきが如実にわかる。自分の立ち位置が可視化されやすいから、勝負に負け続けて、体力の限界が来れば否が応にも辞めなくてはならない日が来たことがわかってしまう。

アート、美術の世界は、緩やかに残酷だ、やめどきがわからない。わかりやすい基準がなく、受け止める側によっても評価が変わるから、客観的に見ることが難しい。ある日突然化けるかもしれない。自分の才能を見限れないから、いつか開花するかもしれないという希望に長くしがみついてしまうのだ。

ずっとそうやって儚い希望を繋いできたけれど、ある日、自分には才能がないことに気づく。

自分の作品を世に出したいとか認めてもらいたいとか個展をしたいとか買ってもらいたいとか、そういう欲がなくなると、アート系の作家を支援するという団体に属している理由がなくなった。所属していれば、決別した友人にも会うかもしれないのもきつかった。彼女も会員だから。

それでやめることにした。

挨拶を兼ねて、その団体が所有するギャラリーに飾ってもらっていた作品を引き取りにいった。

展示販売品として置かせてもらっていた作品が、思いがけなく10点近く売れていた。
団体に支払う会費と材料費を差し引けば足が出るほどの、ささやかな売り上げ。

それでも私の属性も一切関係なく、作品をだけを見て、多分何かを感じてお金を支払ってくれた人がいることが、たまらなく嬉しい。

買ッテイタダキマシテ、本当ニアリガトウゴザイマス。

稚拙でも真摯に向き合った時間の全てが、無駄なわけではなかった。誰かの気持ちをほんの少しだけ揺らすことができた。

作品にはもう自分は関われないけど、長くかわいがってもらえるといいねと思う。

「会員のままでもう少し置いてもらったら、もっと売れたんじゃないの?」「後悔しているんじゃない?」
欲深いもう一人の自分が囁く。

「いいんだ、決めたことだから」

ギャラリーの扉を閉めながらそんなことを思った。

ここできっぱり制作をやめた方がきれいな終わり方なんだろうけど、制作自体はもう少し続けようと思っている。

スピリチュアル的に言うならば、インナーチャイルドとかいう子供が、まだやめたくないとすねているから。

「じゃもうちょっとだけ続けてみようか。あなたが、もういいやと思える日まで」

これから他人におもねることなく、何にも縛られず、制作を始めた頃のように無心に作れればいい。

(併せてこちらもどうぞ。「人間関係の断捨離。誰かに時間を使うことは別の誰かには使わないということ」)




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